ファンタジスタ典子と俺は、長野にあるガラス工房 Scratch & Noiseで短期集中講座を受けてきた。Scratch & Noiseは、俺のガラスの母校 東京ガラス工芸研究所の一期上の先輩・加倉井秀昭さんのやっている工房。
ガラスを吹き始めて、気がつけば20年以上になるけれど、まだまだ分からないことばかり。
好き勝手に吹くことは出来るけど、もっともっと好き勝手に吹きたいし、もっともっと自分の中にある「あれ」を作れるようになりたい。
吹きガラスはものすごく論理的だから、それに気づくことが出来るかどうか?が大切で、うまくいかないのは技術の問題もあるけれど論理が合っていないことが多いと思う。
だからこそ、自分だけで考えているとどうしても曖昧なところや疑問が積み重なって来る。
その曖昧さや疑問を解消するために加倉井さんの講座に参加した。
俺のパートナーはこの2人。
ハセショーとしまさん。
奥のスラーーーッとしているのがハセショーで、丸メガネと笑顔がよく似合うのがしまさん。
ハセショーは、最初全く違う吹き方をしていたんだけど、その吹き方を加倉井さんに禁止されて、今まで出来ないと自分で思っていたことが、全然普通に出来ていて、ものすごい速さで上達していった。
上達したって言うよりも解き放たれた感じの方が近いか。
目に見えない鎖に縛られていたのをぶちー!って引きちぎった感じ。
限界を決めているのは自分自身だと改めて感じられた瞬間。
そのスラーーーッとした体を活かして、とにかく美しい吹きガラスの吹き方を極めてほしいよね♪
しまさんは、学生の頃から加倉井さんに習っているからか、飲み込みがとても早いし、そもそもが上手。
加倉井さんのデモンストレーションを見て、しまさんの吹くところを見て確認出来たこともとても多かった。
もともと俺の普段やっている吹き方と全然違う吹き方だから、とても勉強させてもらった。
デモンストレーションを2倍見れた感じ。
ストイックさがとてもカッコよかった。
見習います!
そんな3人で励まし合いながら過ごした二日間。
同じ道の仲間と1つの方向に向かって進んでいく。
学生時代に戻ったようでとても楽しかった。
そして加倉井さん。
何年か前にも加倉井さんの講座に参加したことがある。
その時も思ったんだけど、言ってることがとても分かりやすい。
そこがなんとなくしかわかんなかったんだよなーってところを伝えてくれて、そのままを見せてくれる。
足りなかったピースを埋めてくれる。
思い込みの論理を言葉と技術で覆してくれる。
あーそこはもっともっとメリハリをつけちゃっていいのか!とか、あーだからそうなっちゃうんだ!とか、え?!そうなの!とか、とにかく新鮮だった。
これから月浦に帰って、すぐそれが実践出来るかと言うとそれはまた全然別問題。
教えてもらったからと言ってすぐ出来るほど俺は上手じゃない。
それでも今回の講座で教えてもらったことを意識することは出来る。
いつかそうなるように。
いつかそう出来るように。
繰り返しを繰り返す。
焦らない。慌てない。諦めない。
やっぱなんだかんだ言っても、ゆっくりやってくしかないねー♪