アメリカから帰って来てから約1ヶ月。窯のメンテナンスをしたり、店の壁を塗り替えたり、部屋の片付けをしたり、なんだりかんだり。
ついに臨月を迎えた妻と我が子を迎えるための準備をしていました。
そして、なんとなく落ち着かない日々。
妻は健康そのもので、お腹の中の子もいつも元気!
予定日前の検診で一応次回の予約もしたけど、きっと生まれてるから必要ないね!なんて言っていたものの、予定日の12月9日を過ぎても一向に生まれてくる気配はなし....
結局、予約を入れておいた検診を受け、歩いた方が良いとのアドバイスを頂いたので、病院帰りに歩くこと都合6時間。
ちょっと歩き過ぎじゃね?
とも思ったけど、ノッテイル時の妻は誰も止めることができません。
そんなこんなでついに陣痛が!
そろそろ我慢が出来ないかもと妻が言うので、病院へと連れて行った12月13日。
12月13日......
この日は、中学の同級生の山口とカッサの誕生日....
いや、別に彼らが悪いと言っているわけではない。
言っているわけではないが.....
避けたい.....
俺はとにかく13日に生まれて来ないように祈る。
15日は、俺の誕生日。
生まれてくる子の誕生日が14日ならば、来年から連休だな。
そして、15日も避けて欲しい。
誕生日が同じよりも別の日の方がパーリー増えるしね!
なんてことも考えながら。
痛みに弱い妻を見ながらも、なんとなくまだ生まれて来ないんじゃないかなと陣痛の人も見たことがないのに思っていた。
思っていたのではなく、13日に生まれて欲しくなかったので、そう思いたかったのかもしれない。
そろそろ消灯の時間になり、
まだの様だからご主人一旦お帰りになり、体力を温存して置いてください。
この様子だと明日の朝になると思います。
と言われ、13日に生まれる線が消えたことでほっと一安心して一旦帰る。
のりちゃんもながちんも心配そうにしていたので、明日の朝が山場と伝えて、すぐに寝た。
すると夜中2時くらいに妻から電話が入る。
これから部屋を移ります。
急がなくて良いので、気をつけて来てください。
いつになく冷静な妻の声に目がさめる。
本気の声だ。
部屋を移ったってどう言うことだろう??
ここから何時間くらいで生まれるんだろう??
経験のない俺は、全然何も分からず、とにかく焦らず慌てず出来る限り急いで行くことにした。
うちから病院までは車でだいたい1時間。
とにかく事故らない事だけを気をつけて、病院へ向かう。
吹雪いていたりもせず、とてもいい天気。
月がとてもきれいだった。
病院へ向かう途中、妻の両親にも連絡。
妻の母から、もう分娩台の上?と質問が来たので、多分そうだと返信する。
病院へ着いてみると、なんだか普通の病室のようだ。
ただし、妻は相当痛がっている。
ふと天井を見上げると見たこともないドーム型の大きな照明がついている。
ん?もしかして...と思い、看護師さんに聞いてみると、この部屋で産むと言う。
朝を迎え、もう我慢の限界!と看護師さんに伝えると準備をするので、旦那さんは一旦外でお待ちください。と言われ退室。
10分くらいすると入室を許可された。
入るやいなや、
「来ました!」の妻の声、看護師さんに呼吸法を確認し、いきみ始める。
力いっぱいの妻の顔。
目を閉じずに意識を下の方に向けて!
力いっぱいの妻の顔。
頭が出て来ましたよ!呼吸法を変えて!
妻と看護師さんたちとのチームワーク。
するとみるみるうちに我が子が出て来た。
スゲーじゃん!
これ以外の言葉は見つからない。
スゲーじゃん!
子供が生まれてきたことよりも妻の頑張りの方が俺には感動的だった。
とにかく妻を褒めたい。
そして妻に感謝したい。
おかげさまで俺もようやく人の親になれました。
妻よ!本当にありがとう!!
2018.01.31→02.11 紡ぎあう。@TEMPORARY SPACE