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glass cafe gla_glaのグダグダな日々。

北海道・洞爺湖のガラス工房と喫茶"glass cafe gla_gla"高臣大介のグダグダな日々と作品紹介など


by gla_gla

つららの歴史。

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テンポラリースペースでの展覧会「まじりあう。」が終わった。
準備期間を含めるとあっという間の2週間で、朝から晩までつららを作っていた気がする。

夜中につららを作っていると寒さのせいもあり、自分は何をしているのか?どうしてつららを作っているのか?
たくさんの自問自答が湧き上がってくる。
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何をしているのかなんて簡単だった。
単に遊んでいるにすぎない。
意味のないことを延々と続けられるなんて、こんな最高のことはない。
子供の頃の遊びなんてそんなもので意味なんて考えることの方が馬鹿馬鹿しいことに気づいた。

どうしてつららを作っているのか?は少し時間がかかった。
テンポラリースペースで冬の展覧会をしている時、外に音が鳴るように野傍の泉池を吊るしていた時にうっすらつららが出来ていたことはあった。
でもなんだかそれだけじゃないような気がして何度も何度もつららを作りながら考えた。

思い出したのは、テンポラリースペースの前身・中森花器店での展覧会のことだった。

(前身と言うと少し語弊があるかもしれない。中森花器店と一緒に当時もテンポラリースペースをやっていたから。
中森花器店の2階には器のギャラリーがあって、1階の隣にはその時からテンポラリースペースがあった。
テンポラリースペースでは現代?美術の作家が多く展覧会をしていたと思う。
思うと言うのはそもそも美術には関心がなかったのであんまり覚えていない)

一番最初に中森さんに会った時「冬とガラス」が合うと力説したところ、突然2階の器のギャラリーの窓に出来るつららの写真を見せてくれた。
俺も冬とガラスは合うと思っているんだ。と意気投合した。
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そして冬の展覧会をやらせてもらうようになった。
正方形の窓につららが下がり、その手前に一輪挿し・花は何処に咲くのか?を飾ってある。
千葉から移り住んできた俺につららはとても新鮮だった。これぞ雪国!って感じで展覧会はいつも楽しみだった。
しかし突然の移転。

新しいテンポラリースペースでも南向きの窓にはよくつららが下がっていた。
中森花器店の2階の窓より立派ではあるものの何かちょっと違う。
うまく説明できないけど、これじゃないんだよね。
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そして2011年の冬、雪調(ゆきしらべ)
細長い吊り下げた器に雪を詰めて、水に戻し、一晩使って凍らせて、また雪を詰めて、水に戻し、凍らせると言うような。
この展覧会の時、初日の夕方から急に体調を崩してめっちゃ熱出たの思い出した。
毎日雪詰めて溶かしてってやりたかったけど、思うようには出来なかった。
そう言う意味では未完成の展覧会。

伝えたかったことは、元に戻らないってこと。
溶けた雪は水になったり、氷になったりはするけど、雪にはならないでしょ?

そこからしばらくして野傍の泉池のシリーズが始まり、
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外に吊るしたりなんかしてる時にちょっと積もった雪がつららみたいになってるのを見て、今度はこれに挑戦しようと思った。
そして、2018年の冬、紡ぎあう。を行う。
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最終日にようやく出来た一本。
これが本格的につららを作った記念すべき第一作。
どうしたら良いのか全然分からないところから始めたけど、今見たらこの時の俺におかげさまで今はもっとスゲーの作れるよと言ってやりたい。
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そして2019年の冬の展覧会、重ねあう。
写真見るまで忘れていたけど、この年はつらら的には雪調(ゆきしらべ)リターンズだったんだ!
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あー思い出したよ。
この年はいろんな予定の絡みで2月の終わりごろに展覧会をやったからだいぶ暖かくて最終日を待たずにつららが全部溶けてしまったんだ。
そうだ、それで一番寒い時期の2月頭の週に展覧会をやることを決めたんだった。

そして野傍の泉池800本を飾った2020年の冬の展覧会、あふれでる。
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これもケッコー苦労したけど、それでもまだまだだね。
去年の俺に言ってやりたいおかげさまで今はもっとスゲーの作れるよと。

そして今年の冬の展覧会、まじりあう。
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これでもまだまだだけど、来年の俺が今年の俺におかげさまでスゲーの作ったよ!と報告してくれるのを待ってる。

俺のつららの原風景は、中森花器店の2階の窓のつららってことを書きたかっただけなんだけどね。
思いがけずいろんなことが振り返れて良かった。

展覧会を辿っていって気がついたけど、
高臣大介って毎回同じようなことをテーマに詩を書いていたり思ったりしてるんだね。
一年前の展覧会とか全然振り返らないから忘れちゃってるんだね。


by gla_gla | 2021-02-11 19:00 | 展覧会とか